一般診療(保険診療)
若い頃はにきび、やがてはシミやたるみが気になるというように、女性のお肌の悩みは年齢ごとに変わってきます。さまざまなお悩みやご要望に、同じ女性の視点でお応えしますので、お気軽にご相談ください。
また、お子さんに関してもアトピーだけでなく乳児湿疹の症状がよく見られますので、真向かいの産婦人科・足立病院と併せてご利用いただければと思います。
今や男性も肌の手入れを気にされる時代。一般の皮膚診療はもちろん、皆さまが自然で美しく歳を重ねていけるようスキンケアのお手伝いをいたします。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は増悪、寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、多くはアトピー素因を持つ(日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン)と定義されます。 アトピー性皮膚炎の症状はダニやほこり、気候、食事、ストレス、ペット、感染、外的環境等様々な悪化因子が重なりあって生じる多因子性の疾患であるため何か一つの因子にだけ対策をとっても不十分で、こまめにそれぞれの因子を減らしていくケアをしていくことが大切になります。そのために、当院では必要があればアレルギーに関する採血検査やパッチテスト等を施行致します。
治療には日本皮膚科学会によるアトピー性皮膚炎治療ガイドラインに沿って、外用剤や内服等の薬物療法を行い、スキンケアや悪化因子への対策に取り組んでいくことが重要となっていきます。
蕁麻疹
蕁麻疹が起きる仕組みにはアレルギーに関与するものとアレルギーに関係ないものとがあります。アレルギーが関与するものには主にIgEという血清中の抗体が関与し原因となる抗原に対する抗体反応が起きると皮膚の真皮浅層の血管にヒスタミンが作用し蕁麻疹が起こります。また、補体と呼ばれる物質がアレルギー反応によって活性化されて起きる蕁麻疹もあります。この場合には膨疹や紅斑が長く残り、膠原病などの全身性疾患を合併していることがあります。蕁麻疹はいろいろな原因で生じます。 例えば薬物、食物、感染(最近、ウイルス、真菌等)、物理的刺激,心因(ストレス等。結構多い)、あるいは他の病気と関連して生じるもの等たくさんありなかなか原因を明らかにすることが難しいです。
可能な範囲で原因検索をし、主に内服薬での治療となります。
手荒れ・接触皮膚炎(かぶれ)
主に外用剤や内服等の薬物療法になります。 原因検索としてアレルギーに関する採血検査やパッチテストを行うこともあります。
パッチテスト予定表
火曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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パッチテスト用シールを貼る日 | 第一判定日 | 最終判定日 |
ニキビ
ニキビができるメカニズムとして
① 男性ホルモンの分泌が活発になったり女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが崩れることで皮脂の分泌が上昇
② 肌の新陳代謝が乱れ、古い角質により毛穴のつまりがおきる
③ 結果毛穴に溜まった皮脂の中でニキビ菌が増殖し炎症をおこす
②の状態では白ニキビや黒ニキビ(面ぽう)、③の状態になると紅ニキビとなり抗菌剤によって紅ニキビが治っても、隠れニキビ(白、黒ニキビ)が紅ニキビに進行することがあり、これを繰り返すことで長い間ニキビに悩まされ、長期に炎症が広がると瘢痕(ニキビ跡)が残ることがあります。
ニキビの治療は日々進化しています。炎症のない白ニキビから炎症を起こした紅ニキビまで世界で広く使われている外用レチノイドが日本でも2008年から使えるようになりました。その他に抗菌薬の外用や内服、硫黄製剤、漢方薬やビタミン剤(B,C等)症状に合わせて治療していきます。
水いぼ
軟属腫ウイルスが原因で起こる皮膚の感染症で正式には伝染性軟属腫といい、お子さんに多い病気です。症状は光沢のある丘疹で、よく見ると中央にくぼみがありその中にある白い芯のような部分にウイルスが多く含まれています。
ウイスルに感染しても、潜伏期間が長く、症状が出るまでに14~50日程度かかります。したがって、一旦治癒したと思ってもすでに感染していた水いぼがまた出てくることがあります。水いぼは放置していても自然に治りますがそれまでには長期間(6ヶ月〜5年程度:個人差あり)かかるため、ウイルスに勢いがあり短期間で増えるときは治療をおすすめしています。
方法として
①専用のピンセットでイボを摘除する:効果は高いですが摘み取る際に痛みを伴うことが多いため、麻酔のテープを使用することにより痛みを和らげることができます(麻酔のアレルギーが有る場合は使用できません)
②液体窒素での凍結療法:痛みは①より少ないですが回数がかかります(2-3週おきが目安)
水いぼの周囲は痒みを伴うことが多く、掻いて他の部位にうつしたりとびひの原因にもなります。アトピー性皮膚炎や乾燥肌があるとバリア機能が弱く水いぼになりやすいので、普段から皮膚を清潔に保ち保湿剤でのスキンケアも大切です。
とびひ
細菌が原因で起こる皮膚の感染症で正式には伝染性膿痂疹といい、掻いた手を介して水疱が広がる様子が、火事の火の粉が飛び火することに似ているため「とびひ」と呼ばれています。とびひは夏場に多く(最近は暖房の普及で冬でもみられる)、虫刺されやあせもを掻いたり、小さなケガで出来た傷に細菌が入り込み発症します。多くは常在菌である黄色ブドウ球菌が原因で水ぶくれができ、やがて破れると皮膚がただれて痛痒く、そこを掻いた手で他の部分を触るとうつっていきます。多くはないですが溶連菌が原因の場合は痂皮性膿痂疹といい、炎症が強くリンパ節が腫れ、発熱や喉の痛みを伴うことがあり注意が必要です。
とびひの治療には、主に抗菌剤の内服や外用療法を行います。また、必要時応じてかゆみを抑える抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬や炎症を抑え皮膚を保護する亜鉛華軟膏をガーゼ貼布することもあります。
イボ(尋常性疣贅)
ヒト乳頭腫ウイルスというウイルスが皮膚に感染してできます。小さなキズができて皮膚のバリアーが壊れると、乳頭腫ウイルスはそこから入りこんで感染すると考えられています。手足や顔、腕になりやすいのはこういう場所の皮膚が指のさかむけや手荒れや靴ずれ、髭剃り等で傷つきやすいからだと考えられています。また、アトピー性皮膚炎があるとイボにかかり易くひどくなり易いことが分かっています。イボにかかりにくくするためには、保湿などのスキンケアをしっかり行い、できたイボはなるべく早く治療しましょう。
治療法は色々ありますが、これが一番と言える治療法はありません。イボのできている場所、経過、治療歴、基礎疾患等が治療に影響しますので患者さんごとに治療法が異なり、根気よく治療することが大切です。 最も一般的な治療法は液体窒素による凍結療法です。また、サリチル酸ワセリンやビタミンDといった角化症の外用剤やヨクイニンの内服などがあります。ヨクイニンは免疫力を上げてイボを治す漢方ですが効果は個人差があります。
水虫
主に白癬菌という真菌が原因となる感染症です。指の間の皮がめくれたり、ふやけたり、小水疱ができたり、踵が分厚くなり乾燥してひび割れたり、臨床症状は様々ですが汗疱や掌蹠膿疱症といった水虫そっくりに見えて実は水虫ではない例もありますので自己判断で市販の水虫薬を塗布せず、なるべく病院で顕微鏡検査にて真菌を確認されることをおすすめします。
治療は主に抗真菌剤の外用になります。患者さんの多くは、痒みなどの自覚症状が無くなると塗布を止めてしまいがちですが、実はまだ角層に白癬菌が残っていることが多いので綺麗になってもしばらく治療を続けられることが必要です。最近では爪白癬にも内服だけでなく爪白癬用外用剤がありますので、爪が完全に生え変わるまで根気よく治療を続ける必要があります。
帯状疱疹
身体の片側にピリピリと刺すような痛みと、これに続いて紅色丘疹や小水疱が帯状にあらわれるのが特徴です。胸から背中にかけて最も多くみられ、全体の半数以上が上半身に発症します。また、顔面特に眼の周囲も発症しやすい部位です。原因は神経節に潜伏感染しているヘルペスウイルスの一種、水痘 ・帯状疱疹ウイルスによっておこります。帯状疱疹は疲労やストレスが原因となり、免疫力が低下した時に発症します。治療は抗ヘルペスウイルス薬を中心に行われます。効果が現れるまでに2日程度かかりますので、服用して直ぐに効果があらわれないからといって途中で止めず、指示通り服用してください。また、発病早期に適切な治療を行うことで、症状を軽くし、合併症や後遺症である帯状疱疹後神経痛のリスクを減らす事ができます。
赤アザ
当院ではレーザーによる赤アザ治療を行っております。
『苺状血管腫(乳児血管腫)』
苺状血管腫は、赤アザの一種で未熟な毛細血管の増殖により起こります。生後すぐ、もしくは生後数週間以内に発症し、皮膚表面が苺状に赤く盛り上がり急速にに大きくなった後、生後8か月ごろより徐々に消退し始め、10歳まで約90%が消退するといわれています。しかし、拡大の抑制、早期の退縮を誘導することから予防の意味でも早期治療は有効です。体のどこにでも見られますが、顔に多く大多数のものが局面型・腫瘤型を示します。
『単純性血管腫(ポートワイン血管腫)』
単純性血管腫はポートワイン血管腫とも呼ばれ、真皮の毛細血管の局所異常で、通常皮膚の膨隆を伴わず明瞭な境界線があり、均一の紅斑を呈します。色は明るいピンク色~濃い紫色まであります。発症は生下時より見られ自然消退しませんが、加齢に伴い皮膚が厚くなる為、褐色する場合があります。その反対に色が濃くなったり腫瘤する場合もあります。女性に多く、好発部位は顔面・頚部ですが、四肢にも比較的多くみられます。
『毛細血管拡張症』
毛細血管拡張症は真皮にある毛細血管が何らかの原因で拡張することにより、血液量が増え血流が滞り、それが透けて肌が赤く見えてしまう状態のことを言います。はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、寒暖差や緊張・興奮なども原因と言われています。
なお、下肢の毛細血管拡張症の場合は顔面の毛細血管拡張症よりも太めの血管が多く、顔面に比べて照射後に色素沈着(色素脱失)が起こる場合があります。
Vビームについて
Vビームとは、FDA(米国食品医薬品局)より医療承認を受けた血液の赤色に大変よく吸収されるレーザー光を出す可変式ロングパルスダイレーザーのことを言い、-26.1℃の皮膚冷却ガス装置を付属した痛みの少ない色素性病変を治療する装置です。
従来の機種よりも、より深くまでレーザー光が到達し、大きい出力により、少ない副作用で、より大きな血管をターゲットとできます。また、色素班用のハンドピースは患部の血管を障害することなく治療可能です。
主に『苺状血管腫(乳児血管腫)』『単純性血管腫(ポートワイン血管腫)』『毛細血管拡張症』の治療に用いられます(健康保険適応)
症状により照射方法や効果も異なる為、治療回数は個人差がありますが、繰り返しレーザーを当てることで徐々に改善していきます。
照射後は患部に赤み(黒み)、かさぶた、腫れ、水疱、紫斑(内出血)のような症状が現れることがございますが、7~10日前後で改善します。その後一時的にレーザー前よりも色が濃くなることがございますが、徐々に引いていきます。
レーザー当日より入浴可能ですが、熱いお湯に浸かったり患部を強くこすることは避けてください。